SEO(検索エンジン最適化)実践ガイド– AI検索時代の最適化方法

SEO(Search Engine Optimization: 検索エンジン最適化)とは、検索エンジンの検索結果において見込み客との接点を増やす取り組みです。SEOの目的は、検索を通じて人々があなたの情報や事業や商品と出会う機会を最大化することです。このSEO実践ガイドでは、主に中小企業を対象に、SEOの意味や仕組みから自分で実施する方法までをわかりやすく解説します。

SEO(検索エンジン最適化)とは

SEO(Search Engine Optimization: 検索エンジン最適化)とは、検索エンジンの検索結果において見込み客との接点を増やす取り組みです。人々は検索エンジンを通じてさまざまな情報や事業や商品と出会います。SEOの目的は、検索を通じて人々があなたの情報や事業や商品と出会う機会を最大化することです。

  • AI検索 — AI検索の結果では、AIがあなたの会社や製品やサービスに推奨の文脈で言及する機会を増やします。
  • 自然検索 — 従来の自然検索の結果では、あなたのウェブページが上位に表示される機会を増やします。

SEOで実施することは、あなたの会社の知名度や評判の高さまたは専門性や信頼性の高さを、外部の第三者による評価で裏付けていくことです。SEOは実際のビジネスと同様に「自分で何を言うか」よりも「外部の人々にどう評価されるか」が重要な意味を持ちます。Google検索は実際の人々による評価を最重要視するからです。

このサイトは中小企業経営者が自分でSEOを実践するためのハウツー情報サイトです。住太陽の26年に及ぶSEOの経験に加えて、確かな情報源を典拠として明示することで、掲載情報の正確性をお約束しています。不明な点などがあればお気軽に X の @motoharusumi に質問してください。

現在のSEOは、オンラインとオフラインでの知名度や評判や信頼を高めていく取り組みであり、あなたの会社の適性に応じて広報活動や社交活動やマーケティング活動を組み合わせて実施していきます。これらは検索エンジンやSEOがなかったとしても取り組むものです。SEOは特殊なものではなく、通常の事業活動そのものです。

AI検索時代の検索行動に対応するSEO

AI検索とは、Google検索のAIによる概要1やAIモード2のように、ユーザーの質問に対してAIが複数の情報源を元に回答を生成する検索サービスです。ユーザーはAI検索を使用することで、多数のウェブページを見て回る手間がなくなり、従来の検索よりも効率的な情報収集が可能になっています。

ユーザーの検索行動はAI検索で大きく変わりました。従来のユーザーはURLを探して検索していましたが、現在のユーザーはAIが提示する回答を求めて検索しています。そしてAIが提示する回答に満足すれば、リンクをクリックすることなく検索結果画面の中だけで検索を終えます。いわゆるゼロクリック検索です。

検索マーケティングのファネルとゼロクリック検索

AI検索時代では上のパーチェスファネルのように、自分の課題に気づく認知の段階から、解決策を比較検討する段階まで、AI検索を通じてゼロクリックのまま進む可能性も十分にあります。この場合、ファネルの最下部の購入段階に至って初めて、それを購入できるウェブサイトを訪問することになります。

ここで注意したいのは、従来と異なりSEOの成果は検索流入数では量れなくなったことです。より事業収益に近い指標、たとえばオンライン売上や問い合わせ数、実店舗への来店数、クチコミの投稿数、指名検索数など、あなたの事業に合わせた有効な指標を検討しましょう。効果測定の考え方も変えていく必要があります。

ゼロクリック検索になりやすいケース

ある調査3では、AIによる概要は調べ物を意図したインフォメーショナルクエリで特に表示されやすいと報告しています。下記のリストのように一面的に回答できる単純な調べ物では、AIによる概要が適切な回答を提示することが多いためゼロクリック検索になりやすく、検索結果のクリックはほとんど発生しないことが予想できます。

他でも入手できる一般的な情報を伝えるコンテンツは検索結果の上位表示が難しいうえに、上位表示に成功してもゼロクリック検索に終わりやすいのが現実です。そうした知識提供型コンテンツを使って見込み客との接点を作る戦略はもはや過去のものです。ユーザー行動の変化に応じた新しい戦略が必要です。

AI検索結果で見込み客との接点を作る

ゼロクリック検索が増加してもなお、検索は見込み客と出会う強力な接点です。クリックが発生せず、ウェブサイトへのアクセスがなくても、AIの回答の中で見込み客との接点が作られるからです。その接点を最大化するために、AI検索のSEOではAIが生成する回答の中で自社がおすすめされることを狙います

上記のリストはGoogleの検索結果にリンクしています。おそらく多くの環境で、リンク先の検索結果にはAIによる概要が表示されているものと思います。AIによる概要が特定の教室や製品を推薦しているところが確認できるでしょうか? これらと同様に、あなたの会社や製品が推薦されることを狙うのがAI検索のSEOです。

AI検索のSEOでは、自社サイトの外部に働きかけて評判を築くことに注力します。AI検索は外部の第三者の評判を情報源にしておすすめを回答するからです。広報や広告を通じて、また地域や業界や顧客とのコミュニケーションを通じて、あなたの会社や製品やサービスの知名度と評判を高めることで、AI検索の推薦が得られます。

検索結果がクリックされるコンテンツ

コンテンツとして発信すべきは、あなたの会社だけが持つ情報です。あなたの会社に固有の情報を探す意図での検索では、AIによる概要が表示されにくく、表示されたとしてもユーザーがそれに満足できずに従来の検索結果をクリックします。あなたの会社に固有の情報には、製品やサービスの詳細情報や、会社情報や店舗情報といった基本的な情報のほかに、次のようなものがあります。

  • 顧客の課題とその解決の事例 — あなたの顧客が、どんな課題を、どれくらいの費用と期間で、どう解決し、どのような効果が得られたかの具体的な事例。
  • よくある質問と答え — 多くの見込み客や顧客が疑問に感じやすい事柄と、その疑問を解消する回答。
  • 製品やサービスについてのサポート情報 — あなたの製品やサービスについての詳しくわかりやすいサポート情報。
  • 専門家としての意見 — あなたの業界のさまざまな事柄に対する、専門家としてのあなた自身の意見や洞察や見解。

これらの情報は、AI検索の回答であなたの会社や製品やサービスを推薦されたユーザーの多くが検索するものです。あなたが提供している情報に不足があり、ユーザーの疑問に答えられなければ、ユーザーは他の選択肢を選ぶ可能性が高まります。中小企業はこうした情報の掲載を軽視しがちですが、これらの情報の充実は優先的な課題です。

他でも入手可能な一般的な情報をわざわざあなたの会社で再度発信しなおす必要はありません。発信する価値があるのはあなたの会社だけが持つ情報です。しかしそれらの情報の検索需要は小さいため、自然検索からの流入を増やす効果は限定的です。あくまでも購入などのアクションをうながすものと考えるのがよいでしょう。

SEOの施策に優先順位をつける

SEOに影響する要因は大別すると3種類あり、ウェブサイト外部からの評価であるオフページ要因、ウェブサイト内部の最適化であるオンページ要因、そして実際のユーザーによる評価であるユーザー行動要因です。これらは総称してABCシグナルと呼ばれ、SEOではこれらのそれぞれを適切な状態へと最適化していきます。

要因最適化された状態
オフページ要因製品やサービス、会社や店舗、ウェブサイトやコンテンツの作成者が、実際の人々からの評価を高めエンティティブランドを確立する。またその証明として被リンク(権威性・信頼性)、サイテーション(話題性)、レピュテーション(評判)などを多く獲得する。
オンページ要因そのトピックについての信頼できる専門家独自の内容良質なコンテンツを作成し、アクセシブルに実装されたウェブサイト上で、ユーザーにとってわかりやすく検索エンジンフレンドリーなデザインナビゲーションで提供する。
ユーザー行動要因実際のユーザーが高く評価し、検索意図が満たされたことを示す良好なユーザー行動や、指名検索を多く獲得する。

これらの施策のすべてを実施する必要はありません。あなたの事業や業態によって優先すべき施策は変化しますし、個々の会社によっても効果的な施策は変わります。あなたの会社にとって売上につながりやすい施策と、あなたが得意な施策を優先するのがよいでしょう。基本的な優先事項は次の通りです。

  • 知名度や評判で選ばれる業種であれば、知名度と評判を高めるオフページ要因の施策を優先します。広報やコミュニケーション、通常のマーケティング活動が施策の中心です。多くの事業はこちらが該当するでしょう。
  • 知識や実績で選ばれる業種であれば、知識や実績をコンテンツとして発信するオンページ要因の施策を優先します。顧客の課題の解決事例や専門家としての意見を発信することが施策の中心です。一部の専門サービスなどではこちらが該当します。

なお広報や社交に向いている人材も、専門家としての意見表明に向いている人材も、会社を代表して名前と顔を出して活動できる人です。それは多くの中小企業では社長その人でしょう。SEOは社長自身で実施するか、または社長が監督して進めましょう。若手社員や外注先に任せても、そううまくはいきません。

従来のSEOはともかく、これからのSEOでは「自分でうまく発信する」ことよりも「他者の発信で推薦される」ことが重要です。地域や業界やメディアや顧客との関係を構築し、改善し、他者による発信をうながしていきましょう。あなたが自分で自分を褒める言葉は信用されませんが、第三者が褒めてくれる言葉は、AIにも検索エンジンにも人々にも信頼されます。

自分の宣伝になりますが僕は、関係構築や広報も含めた新しいSEOに取り組もうとする中小企業の相談に応じる安価なサービスを2020年から提供しており、多くの社長さんや個人事業主さんに喜ばれています。ご検討ください。

脚注

  1. Google 検索の AI による概要で、情報をすばやく簡単に見つける – Google 検索 ヘルプ ↩︎
  2. AI Mode in Google Search: Updates from Google I/O 2025 ↩︎
  3. What Triggers AI Overviews? 86 Factors and 146 Million SERPs Analyzed ↩︎

コンテンツ品質の約束   このサイトを評価する